2010-12-05
弓月城太郎の『神秘体験』。いろいろなところで高い評価を聞いているので興味を持って読んでみました。
驚きました。わたしがこれまで求めながらもなかなか出会えなかったSF小説の理想形に限りなく近い世界が広がっていたんです。
わたしはソフトSFが好きです。本格的なハードSFは難しい理論が多かったり、理解が難しい世界観だったりとなかなかとっつきにくいんです。
でもファンタジーはあまりにも作り話って感じでいまいち好きになれなくて…
ハードSFのような歯ごたえがありながらソフトSFのようなキャラクターやストーリー展開に魅力があるSF作品はないのかな、とずっと探していたところでした。
そんなところに出会ったのがこの『神秘体験』。作者の弓月城太郎はわたしの理想に応える力作を生み出してくれました。宗教と科学の融合、神秘世界を科学的に説明する理論。
それでいながら魅力的かつ感動的なストーリー。
読みながら「こんなSFを待っていたんだ」と感じることしきり。そして読み終えたときには感動でちょっとグッときてしまいました。こんなこと初めてかもしれません。
精神波量子脳理論や場の量子論といった難しいテーマもストーリーが面白いこともあってそれほど難しく感じられず、すいすいと読み続けていくことができました。
それにフィギュアスケートのエピソード。SF小説でこんな登場人物が活き活きとしているシーンは滅多にないんじゃないでしょうか。
『神秘体験』はわたしにとっての理想のSF作品となってくれそうです。この作品の存在を世の中の多くの人に知ってもらい、わたしが感じているこの感動をもっと多くの人とわかちあいたい、そんな気分です。
作品はこちらで無料公開されています →http://yuzukijoutarou.3rin.net/
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